2021年10月29日（金）と11月1日（月）の両日、経済学部はベトナム国立大学（Vietnam National University, University of Economics and Business－VNU-UEB）とのオンライン討論会を実施しました。今年4月に参加者を募集し8名の学生が選抜され、準備を開始しました。アレクサンダー?マッコーレー教授とクレイグ?パーソンズ教授がプログラムを担当し、YNUの博士課程を修了したベトナム側のグエン?スアン?ドン先生と共に協力しながら進めてきました。それぞれのコホートの学生は、「我が国におけるCovid-19の経済的影響?社会的影響」のプレゼンテーションを行いました。

2021年に沿ったこの二つのテーマについて、学生たちは急速に変化する状況に対応するため、交流の日まで研究を続けていました。金曜日の「経済的影響」についてのプレゼンテーションでは、YNUの学生は、Go Toキャンペーン、特別定額給付金、東京オリンピック?パラリンピックの予測と最終的なバランスシートなどについて発表し、VNU側は、Covid-19下での経済の概要を説明しました。Q&Aでは、互いの国の体験に関して意見交換をするなど、活発な討論が行われました。

月曜日は、重点（テーマ）がパンデミックの「経済的影響」から「社会的影響」に移されました。

YNUの学生は、高齢者、女性、子ども、障害者という4つのカテゴリに焦点を当てた25分間のプレゼンテーションを行いました。コロナウイルスがそれぞれの人たちにもたらした課題について説明し、例えば、マスクを着用することで、読唇術に頼っている聴覚障害者に大きな負担がかかっていることを示しました。

学生の発表のほかに、VNU-UEBと横国経済学部による特別講演も行われました。VNU側からは、金曜日にグエン?ビック?ジエップ先生が「一人も残さず：ベトナムの貧困削減政策」について講演をしました。ベトナムがここ数十年で行ってきた貧困削減の目覚ましい成果と今後対策すべき課題に、YNUの学生は耳を傾けていました。

月曜日には、学習院大学の椋寛先生による「COVID-19のグローバル?バリューチェーンへの影響」についての特別講演が行われました。横国経済学部出身の椋先生は、グローバル化した世界でバリューチェーンがどのように機能しているか、そしてパンデミックがどのように影響しているかを説明されました。その影響は長期に及ぶ可能性があることについても説明しました。学生たちからは多くの質問が上がり、討論会のテーマについて専門家の意見を聞くことができたことに感謝していました。

アカデミックプレゼンテーションと特別講演以外に、学生たちは和やかな雰囲気の中で、それぞれの都市（横浜?ハノイ）や大学について短いプレゼンテーションを行いました。また、毎回討論会後には、Zoomミーティングを利用して英語でフリートークをする時間も設けられました。

経済学部には、ショートビジット?ショートステイの討論会を実施した豊富な経験があります。2006年以来、何百人もの学生が討論会に参加、ヨーロッパ、アジア、北米、オーストラリアの大学を訪問しました。パンデミックの影響でこのような交流は一時中断されていますが、2020年にはシドニー工科大学とのオンライン討論会、今年はベトナム国立大学との討論会が実施されるなど、15年以上にわたって学生に討論会の機会を提供しています。一方、パンデミックの影響で、Collaborative Online International Learning（略：COIL）をはじめとする新しい教育的アプローチでの留学が登場しています。経済学部では、ZoomやTeamsなどのICTツールを用いて、現在の世界的危機の中でも学生に異文化交流の機会を提供し、COILなどの分野で経験を積んでおり、これらの経験をアフターコロナ時代の交換留学に活かしていきたいと考えています。

2021年の討論会は、ベトナム国立大学のご尽力と組織力のおかげで、YNUの学生にとって教育面、情報面、ともに満足した良い経験となりました。グエン?スアン?ドン先生をはじめUEBの皆様にはこの場を借りて心から御礼申し上げます。そして、この幸先の良いスタートを今後の交流につなげていきたいと思います。